かつてのエースが、問題児に変貌することもある。プロジェクトチームの維持には、常に気が抜けない

プロジェクトは、危機の連続です。そんな危機のなか、若手から、プロジェクトの窮地を救うような大活躍を見せる人材が現れることがあります。自他ともにエースと認められ、今後もプロジェクトを引っ張って行ってくれることを、皆が期待します。

そんなエースが、ある日、問題児に変わってしまうことが有ります。みな、かつてのエースの姿が脳裏に焼き付いていますので、問題児になった元エースをどう扱ってよいか分かりません。今回は、そんなお話をしてみたいと思います。


エースが問題児になってしまうのは、どういうときか?

さて、エースが問題児になってしまう場面について、いくつか例を挙げてみます。プロジェクトのフェーズなどが変わったときに、うまく状況変化に着いていけなかったときに起きがちです。

そして、ほとんどの例で言えるのは、

エースと言えども、万能ではない。状況にフィットできるときもあれば、苦戦するときもある

ということです。特に、若手は、成長している真っ最中ですので、持っている能力にバラつきがあるのは、当然です。つまり、こういう事態は、いつ起きても、おかしくないということです。

別の回でもお話したとおり、プロジェクトでチームを立ち上げる際、理想的な人材だけでチームを組成できることはありません。いろいろなデコボコがある人材を組み合わせて、チームとして100%のパフォーマンスを発揮するのが、プロジェクトです。

そういう意味でも、あるときはエースだった人材が、別のときには問題児になることは、普通に起きうるのです。

プロジェクトチーム編成の現実


エースも人間であることを認識する必要がある

当然ですが、どんなに優秀なエースも人間ですから、完ぺきではありません。よく言われることですが、長所は短所にもなりえます。その二面性を理解しつつ、日々の指導やチーム編成を考える必要があります。

プロジェクトは大変ですから、つい「エースは、いつも頼りにできる」と思いたい気持ちにかられます。しかし、過信は禁物。冷静に状況を見極めることが大切です。


意外に気がつきづらい、まわりのサポート

当たり前ですが、プロジェクトは、チームで行うものです。どんなに優秀なエースがいたとしても、ひとりで全部をやることはできません。

エースが大活躍しているときは、実は、多くの場合で、まわりでエースを支えてくれる人がいます。エースの活躍は目覚ましいので、そういったまわりのサポートは気づかれにくい場合があります。

例えば、エースが仕事に専念できるように、上司のマネージャが、エースが考えていることを分かりやすく翻訳して、まわりに伝えたりしていたのかもしれません。また、言い方が厳しいエースが、まわりから非難されないように盾になってくれていたかもしれません。

他メンバとのコミュニケーションを、マネージャがサポートしてくれていたケース

他には、エースが力を発揮できる仕事だけをできるように、マネージャがタスクを捌いて、仕事量を調整してくれていたのかもしれません。

マネージャが、エースに回る仕事量をコントロールしてくれていたケース

このような場合、環境が変わると、エースはとたんに活躍できなくなります。

エースの活躍が目覚ましければ目覚ましいほど、他のマネージャの目にもとまります。そのため、フェーズの変わり目に、もっと難しい役割に移っていくことも珍しくありません。エースも、直前の大成功で多少テングになっているところがありますから、安易に新しい役割を引き受けがちです。

そういったときは、活躍するのはかなり大変です。活躍できないだけなら、まだマシです。直前の大成功に囚われて、新しい環境での仕事の仕方に順応できなければ、問題児になってしまいます。


エースには、エースのままキャリアパスを駆け上がって行って欲しいです。そのためには、丁寧な観察と指導が必要です。目の前の大活躍に目がくらんで、リスクを見落とさないようにしたいです。

ただ、エースも人間です。そんなに急には、やり方を変えられませんし、成長のスピードにも限界はあります。ときには、前のやり方に囚われて、問題児から脱却できそうにない場合もあります。

そういったときは、エースと言えども、外すしかありません。そういった冷静な判断も必要であることも、知っておく必要があります。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。ご意見・ご感想を頂けますと幸いです。

ITプロジェクト研究会

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