ユーザ企業とITパートナのマネジメントは、定期的に会話すべし。ご挨拶や世間話だけではダメ

「ユーザ企業とITパートナのマネジメント同士は、定期的に会話すべき」ということは、よく言われます。しかし、実際に実施している例は、意外に少ないように思います。あっても、季節の挨拶や世間話で留まっているケースが多いように思います。

今回は、プロジェクトを円滑に進めていくために、どういったコミュニケーションをしていくべきかについて、お話します。


お互いに補完する関係

ユーザ企業とITパートナは、それぞれ単独では、プロジェクトを進められません。それぞれ足りない所があり、それを補完する関係性にあります。

悪い関係性

しかし、自分に無いものを相手に求めるという構造上、ユーザ企業がITパートナに丸投げしたり、ITパートナがユーザ企業からの指示待ちになったりする例もよく見かけます。

良い関係性

良い関係性を持てているときは、お互いがやるべきところや足りないところを理解できています。そして、相互補完して、プロジェクトチームとして、一枚岩になれています。こういうチームは非常に強く、難しい課題にも挑んでいけます。

では、どのようにして、そのような関係性となるのか。

そのために大いに有用なもののひとつが、ユーザ企業とITパートナのマネジメント同士のコミュニケーションなのです。


マネジメント間コミュニケーションの効用

プロジェクトの現場では、色々なことが起きます。そんな中、マネジメント同士のコミュニケーションがどのように機能するのか、少し具体的にお話をしていきたいと思います。

大きな方向性や課題感を、会社ぐるみで共有できる

まずは、プロジェクトの大きな方向性や課題感について、同じ認識を共有するということが大変重要です。

プロジェクトの現場は、ついつい日々の細かいことに気を取られがちです。そんなとき、マネジメントからのメッセージにより、高い視座を取り戻すことは大切です。

また、プロジェクトを進めていくと、色々と困難な状況に直面します。そのため、徐々に大局的なモノの見方ができなくなってくるときがあります。お金の問題や責任問題などが発生し、それぞれの立場で話をするようになるときもあります。

そういったときには、ユーザ企業とITパートナ双方のマネジメントが同じ方向を向いていることが、なおさら重要になってきます。

トップマネジメントとして、自分が聞いている情報が正しいか、検証できる

経験のあるプロジェクトマネージャであっても、人間ですから、勘違いや思い込みが起きることがあります。

また、都合の悪い情報は上げたくないという意識が働いて、実態よりも良い報告をしてしまうことだってあります。

その場合、自社のプロジェクトマネージャからだけ報告を聞いていると、誤った状況認識になってしまいます。

そんなとき、マネジメント同士のコミュニケーションが取れていれば、「あれ、認識が違うぞ」と気付くことができます。

そして、違いに気づけば、自社のプロジェクトマネージャ達に「認識が違うみたいだけど...」と投げかけることができます。

マネジメントが感じるほどの認識ギャップは、たいてい重要な問題が根っこにあることが大きいです。そのため、この「認識の違いに気付く」ということが、トップマネジメントとして大変重要です。

また、こうやって、トップマネジメントがプロジェクトマネージャに問いかけることで、プロジェクトマネージャからトップマネジメントへの報告の質も上がってきます。

プロジェクトの現場では解決できない、重たい申入れができる

プロジェクトにおいては、人やお金に関するような、現場では解決できない重たい問題が発生します。

例えば、「ユーザ企業とITパートナのプロジェクトマネージャ同志の馬が合わない」といったことだって起こりえます。そんなときに、直接、相手のプロジェクトマネージャに申し入れるのは、至難の業です。

そうした場合に、トップマネジメント経由で申し入れるルートがあることは、非常に重要です。

プロジェクトの現場では、難しい問題に日々直面します。感情的な軋轢を生むことだってあります。そういったときに、プロジェクトの枠を超えたコミュニケーションのルートがあるかどうかが、命運を分けることがあります。

さて、感情的な軋轢は、色々な場面で発生します。そういったときに、顔を使い分けることが大変効果的です。

顔を使い分けることができる

プロジェクトにおいては、ユーザ企業とITパートナで、それぞれ事情が異なりますから、お互いに引けない場面というが多々あります。

そんなときに、顔を使い分けるということは、非常に有効に機能します。

しかし、トップマネジメント同士で落し所を見つけるといっても、大人な話ができる関係性ができていなければ、深い議論はできません。

そのため、普段からよくコミュニケーションを取っていることが大切です。

その意味でも、定期的に会い、プロジェクトの状況について認識を共有し合うようにしておかなければいけません。


冒頭でも書きましたが、マネジメント同士で定期的に会っているプロジェクトは多いと思います。しかし、その多くは、季節の挨拶や世間話となっていることが多いと思います。または、ITパートナからの営業・売り込み、もしくは、ユーザ企業側の勉強会という感じです。

マネジメント同士の面識が有るのは、無いよりは随分良いことです。しかし、せっかく時間を取って会うのですから、意味あるものにしたいところです。プロジェクトの中身に含み込んで、できれば、重たい課題について語り合える間柄になっておきたいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。ご意見・ご感想を頂けますと幸いです。

ITプロジェクト研究会