大規模プロジェクト運営ノウハウを知るプロジェクトリーダの確保は、ユーザ企業にとって大変難しい

大規模プロジェクトの運営ノウハウを学べるのは、大規模プロジェクトのなかでも限られたポジションだけです。そのため、大規模プロジェクトの運営ノウハウを獲得できる機会は多くないのが実情です。

さらに、ユーザ企業においては、その機会はもっと少なくなります。そのため、ユーザ企業が大規模な全社プロジェクトを進めていくのは、非常にチャレンジなことなのです。これは、特定の企業だけではありません。基本的に、すべてのユーザ企業に言えることだと考えています。

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プロジェクトの全体運営を経験できる人は少ない。優秀な人材でも、実際に体験しないと分からない


ユーザ企業には、そもそも、大規模プロジェクトを経験できるチャンスが少ない

下記は、同い年の3人が、25-26歳のときに、同じ全社プロジェクトAの販売チームメンバとして一緒に仕事をしたあと、20年後に全社プロジェクトIで再会するまでのキャリアの変遷をイメージとして書いたものです。

見て頂いて分かるように、ITパートナでは、そのあと、様々なプロジェクト経験ができています。ITパートナは、ITを本業する会社ですので、当たり前です。

一方で、ユーザ企業側の2名は、大規模プロジェクトの経験を全く詰めていません。IT部門メンバは、引き続きITに関わる仕事をしていますが、大規模プロジェクトの経験はできていません。業務部門メンバに至っては、まったく関係ない仕事に従事しています。

しかし、そんな二人でも、ユーザ企業内で見れば、役職が高く、過去に全社プロジェクトを経験した数少ない人材です。そこで、20年後に再び立ち上がった全社プロジェクトIに抜擢されたというわけです。

しかし、全社プロジェクトの経験があるとはいえ、20年も前の話です...

過去のプロジェクトでは、若手メンバでしかなかった。立場上、いまはプロジェクトリーダだが、プロジェクト運営ノウハウは、ほとんど身につけられていない

プロジェクトリーダに抜擢されるような人達ですから、ユーザ企業内では優秀で知られ、実績も立派なものだと思います。しかし、全社ITプロジェクトとなると、勝手は違います。

ユーザ企業の
プロジェクト
リーダ

確かに、20年前に大規模プロジェクトは経験した。いまは部長なので、皆が期待しているのも分かる。

でも、20年前は、ただのメンバだったから、プロジェクト運営ノウハウなんて、何も知らないよ。

大規模な全社プロジェクトを一度でも経験できている人はまだ良くて、場合によっては、まったく経験が無いのに、プロジェクトリーダを任されることもあります。

プロジェクトリーダに任命されたけど、こんな大きなプロジェクトなんて、やったことないよ。

とはいえ、他にできそうな人もいないしなあ...

全社挙げての大規模プロジェクトは、大勢の人を巻き込む労力も大きいですし、コストもかかります。そのため、ユーザ企業が、いくつもの全社プロジェクトを短い期間に何個も行うことは難しいです。

そのため、ユーザ企業においては、プロジェクトリーダが、プロジェクト開始前に、大規模プロジェクトの運営ノウハウを既に身に着けていることは非常にまれになっています。


このように、一般的には、ユーザ企業内で大規模プロジェクトの運営ノウハウを持ったプロジェクトリーダを確保することは非常に困難です。そのため、外部登用したり、ITパートナに頼ったりするケースが多いのが実情です。ただ、外部登用したプロジェクトマネージャが、ユーザ企業の文化に適合できなかったり、ITパートナの言いなりになってしまったりする自体も少なからず発生しています。

そういったユーザ企業の方々に情報提供することは、この研究会を立ち上げた大きな目的のひとつです。お困りごとをぜひ色々と共有頂けると幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。ご意見・ご感想を頂けますと幸いです。

ITプロジェクト研究会

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